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新時代の教養講座「ゲンロン・セミナー」第3期が始動! 今回のテーマは「アメリカ」です。
第1回 8月2日(土) 会田弘継 聞き手=植田将暉「保守思想はアメリカをどう動かしているか──トランプとアメリカ」
第2回 9月7日(日) 堺三保 聞き手=天沢時生「アメリカがSFを作り、SFがアメリカを作る──「お家芸」としてのサイエンス・フィクション」
第3回 10月11日(土) 中村隆之 聞き手=田村海斗「「ブラック」からのアメリカ論──アフリカはいかに合衆国をかたちづくったか」
第4回 11月15日(土) 石田健 聞き手=植田将暉「高市早苗はトランプになるのか?──カウンターエリートの日米関係」
第5回 12月7日(日) 三牧聖子 聞き手=栁田詩織「アメリカニズムを解剖する──孤立と介入のアメリカ外交史250年」
第6回 12月20日(土) アフターセッション──聞き手と受講生で振り返る「1000分でアメリカ学」
本イベントは、ゲンロンカフェでの会場観覧、またはシラス・ニコニコ生放送のゲンロン完全中継チャンネルからインターネット配信でご覧いただけます。
会場での当日券販売も行います。ただし、ご準備できる座席数に限りがございます。おはやめにPeatixでご予約いただくようお願いをいたします。Peatixでのお申込みは、イベント当日の開始時刻まで可能です。
放送開始から4時間30分を超えてイベントが続いた場合、ニコ生では配信を終了しますが、シラスでは有料で延長配信をおこないます。
シラスのシステム上、延長部分のみの購入はできません。延長部分のご視聴をされたい方は、あらかじめシラスで番組本編をご購入ください。
【イベント概要】
「ゲンロン・セミナー」第3期「1000分で『アメリカ』学」、最終講義の講師は国際政治学者の三牧聖子さんです。
来年2026年7月に建国250年を迎えるアメリカ。その歴史は、世界から自国を隔離しようとする「孤立主義」と、全世界的な「介入主義」とのあいだでつねに揺れ動いてきました。建国以来、ヨーロッパとの相互不干渉を掲げる「孤立主義」を取ってきたアメリカは、二度の世界大戦を経て、自由と民主主義の名の下に「世界の警察」としてさまざまな地域に介入するようになります。
もっとも三牧さんは、アメリカは一見、孤立主義から介入主義へと大転換したように見えながら、その根本にある「例外主義(exceptionalism)」のメンタリティーは不変であったことに注目します。アメリカは世界史において「例外的」な存在であり、世界に対して特別な責務を負っているという認識は、一方で、「汚れた」世界からの孤立主義を導き出し、他方で世界をアメリカが思うように作り変えようとする介入主義へと帰結してきました。アメリカは「いったん世界の舞台に引きずり出されると、否応なしに、それが避けてきた異質なものそれ自体を作り直そうとする気持ちに駆られる」―冷戦期の政治学者ルイ・ハーツはこう看破しています(ルイ・ハーツ著、西崎文子訳『アメリカにおけるリベラルな伝統』(岩波文庫、2025年)。
この文脈でトランプ政権を捉えてみると、「アメリカ・ファースト」を掲げ、アメリカは世界秩序や民主主義のようなものではなく、その他の国と同じように、自国の安全や国益を第一に追求すべきだとするトランプ外交の特徴は「例外主義」の放棄にあるといえます。
また、今年の就任演説には、「明白なる運命(Manifest Destiny)」という概念も盛り込まれました。1845年にジャーナリストのジョン=オサリヴァンが提唱した「領土拡張は神の意志」という考えで、19世紀から20世紀転換期にアメリカの領土拡大や帝国主義的な進出を支えた考えです。トランプが、領土拡張欲を隠さないロシアや中国に見せる宥和姿勢は、80年前に英米露3カ国の首脳が、戦後の国際秩序や領土分割を取り決めたヤルタ会談の再来―「ヤルタ2.0」への懸念も生み出しています。
ゲンロンカフェの「新帝国秩序を考える」シリーズで、ロシア文学者の上田洋子とトランプ政権を読み解いている三牧さん。今回のセミナーでは、アメリカ外交250年の歩みを振り返りながら、新しい時代の戦争と平和を探っていきます。
ゲンロン・セミナー第3期の締めくくりとなる講義最終回、ぜひご参加ください!
三牧聖子 Seiko Mimaki
同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。アメリカ政治外交。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会)、『Z世代のアメリカ』(NHK出版新書) 、共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)、共著に『自壊する欧米ーガザ危機が問うダブルスタンダード』(集英社新書)など。Yahoo! JAPAN!『朝日新聞』コメンテーター。
栁田詩織 Shiori Yanagida
1993年生まれ。哲学・倫理学者。ゲンロン編集部。お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京大学人文社会系研究科基礎文化研究専攻倫理学専門分野満期退学。博士(文学)。駿河台大学などで非常勤講師。おもな著作に「カント倫理学に対する形式主義批判の再考」(日本倫理学会注目作)など。