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ゲンロンαにイベントのレポート記事を掲載しています。ぜひお読みください。
記事URL= https://webgenron.com/articles/article20201225_01/
【イベント概要】
東京工業大学准教授で美学者の伊藤亜紗さん、一橋大学大学院教授で精神科医の宮地尚子さんの対談イベントを配信します。伊藤さんの新著『手の倫理』(講談社)、宮地さんの新著『トラウマにふれる――心的外傷の身体論的転回』』(金剛出版)のW刊行記念イベントです。
最近の伊藤さんは、『記憶する体』を中心とした業績で、本年度の第42回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)を受賞したことも話題です。新著『手の倫理』では、「さわる」と「ふれる」の違いへの注目から、視覚優位の西洋哲学の文脈を検証しつつ、触覚論のアップデートを試みます。また、倫理やコミュニケーションの問題など、さまざまな切り口で「触覚」について迫ります。『どもる体』『見えないスポーツ図鑑』など、障害とともに生きる人々がもつ豊かな感覚の世界を伝えてきた伊藤さんの、面目躍如といえる一冊です。
ゲンロンカフェ初登壇となる宮地さんは、『トラウマの医療人類学』『環状島=トラウマの地政学』など、トラウマやジェンダーを専門とする臨床医、研究者として知られています。近年の論考をまとめた新著『トラウマにふれる』では、DVや性暴力、薬物依存といったトラウマの事例を紹介しながら、「触覚」を中心とした身体感覚と心の問題について議論を展開しています。伊藤さんは、毎日新聞に寄せた同書の書評のなかで「著者がトラウマを単なる心的現象として扱うのではなく、身体の具体的な感覚に則して考えようとしている」と紹介をしています。
新型コロナウィルスの流行により、ひとが触れあうことが一種の禁忌となったいまだからこそ、触れることや「触覚」のあり方について思索を広げていきます。おふたりの対話にご期待ください。
※ 放送のみ(会場は無観客)のイベントです。
伊藤亜紗『手の倫理』(講談社)
宮地尚子『トラウマにふれる――心的外傷の身体論的転回』(金剛出版)
伊藤亜紗 Asa Ito
東京工業大学/東京科学大学(10/1以降)リベラルアーツ研究教育院教授。専門は美学。主な著作に主な著作に『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)、『どもる体』(医学書院)、『記憶する体』(春秋社)、『手の倫理』(講談社)など。WIRED Audi INNOVATION AWARD 2017、第13回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞、第42回サントリー学芸賞、第19回日本学術振興会賞、日本学士院学術奨励賞などを受賞。
宮地尚子 Naoko Miyaji
一橋大学大学院社会学研究科地球社会研究専攻・教授、精神科医。博士(医学)。専門は文化精神医学、医療人類学、トラウマとジェンダー。1986年京都府立医科大学卒業。1989年から1992年までハーバード大学に客員研究員として留学。1993年より近畿大学医学部衛生学教室勤務。2001年より一橋大学大学院社会学研究科地球社会研究専攻・助教授を経て、2006年より現職。主著に『異文化を生きる』(星和書店、2002年)、『トラウマの医療人類学』(みすず書房、2005年)、『環状島=トラウマの地政学』(みすず書房、2007年)、『傷を愛せるか』(大月書店、2010年)、『震災トラウマと復興ストレス』(岩波ブックレット、2011年)、『トラウマ』(岩波書店、2013年)、『ははがうまれる』(福音館書店、2016年)、『トラウマにふれる』(金剛出版、2020年)など。