カフェに
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一般 前売券1,500円
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一般 当日券2,000円
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見る
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レンタル(7日間)600円
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チャンネル会員無料
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一般500円
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チャンネル会員無料
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一般800円
【イベント概要】
二人の無名の論客による、柄谷行人についての啓蒙的とも専門的とも言い難い——あるいはそのどちらでもある、つまり初心者向けでも上級者向けでもある——奇妙なイベントが2014年2月23日、ゲンロンカフェで開催される。
雑誌『ユリイカ』に音楽系の論考を寄稿し、また現在はゲンロンカフェの店員として働いてもいる批評家見習い(?)の仲山ひふみ、そして独自のコンセプトに基づいた新しいSNSベースの人文系読書会「関西クラスタ」の主催として一部で大きな影響力を発揮している(?)倉津拓也。じつはゲンロンカフェに二人が登壇するのは、これが初めてではない。ゲンロンカフェ開店以来最長である5時間にもわたるトークと、その議論の混乱ぶりによって伝説化した2014年1月8日のイベント、通称「ひふみねお20」において、両者はすでに邂逅していた。このイベントの随所で垣間見られた両者の思想の差異は、しかしながら残念なことに、指数関数的に上昇する話題の拡散度合いのために当日は充分に展開されなかった。会場にいた東浩紀の介入もあって——もちろんこの介入にはそれ自体、価値があったわけだが——この差異が何に基づくものなのかは曖昧にされたまま、イベントは終了時刻を迎えることとなった。
今回のイベントはこの差異を充分に展開した上で議論することを目指した、ある意味で1月8日のリベンジ・マッチである。そしてそのバトル・フィールドに選ばれたのが、1960年代末に文芸批評家としてデビューし、いまや国際的な知識人として認知されている思想家の柄谷行人の仕事である。
東浩紀の師でもあるこの巨人の仕事のうちに、アノニマスな知の前衛を自負する二人(?)はどのような可能性を見出すのか。それは2014年の知的言説の状況に対して、いかなるアクチュアリティーを持ちえるのか。仲山と倉津の二人がそれぞれの立場から、この偉大な思想家の仕事に「解釈」の刃を入れていく。
(「だが、なぜいま柄谷行人なのか?というより、なぜいま、誰が、批評など読むのか?ビッグデータと原発事故の時代に、いったい誰が?」この問いに答えるためにこそ、私たち、仲山ひふみと倉津拓也は、「柄谷行人」を二次創作し、それぞれの「柄谷行人」の間で交わされたかもしれない、可能的(possible)かつ潜在的(virtuel)なものとしての、2014年における「政治と文学」論争を、「「フクシマ」へ門を開く——福島第一原発観光地化計画展 2013」の会場となったゲンロンカフェにおいて上演する、のかもしれない。)
なお、当日は柄谷の活動と関連する諸動向をまとめた略年譜や、主要な著作、論考について紹介するスライドも使用するので、柄谷行人について単に知りたい向きにとっても有益なイベントとなるはずだ。2014年2月23日はぜひ五反田のゲンロンカフェに実際に足を運び、リアルタイムで展開される議論に耳を傾けてみて欲しい。
仲山ひふみ Hifumi NAKAYAMA
1991年生まれ。ゼロ年代以降の多様化した批評/創作活動にコミットする。
青土社『ユリイカ』やくしまるえつこ特集、ジョン・ケージ特集に評論を寄稿。
また渋谷慶一郎+初音ミク『ATAK020 THE END』にライナーノーツを寄稿。
倉津拓也 Takuya Kuratsu
1979年生まれ。書店員。京都大学法科大学院法学研究科法曹養成専攻修了。GACCOH京都検定部。関西クラスタ最高哲学責任者(CPO)。書いた文章に「幽霊に憑かれた『存在論的、郵便的』」(『はじめてのあずまんω』)、「動物に魂はあるのか」サマリー(『ゲンロンサマリーズ』)、「京都から見たゲンロンスクール第1回」(『genron etc.#7』)など。