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〈ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾〉の講義を生中継します。「講義」部分の視聴はゲンロン完全中継チャンネルの会員の方限定となります。
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【課題】
現段階の体力測定という意味もこめて、とにもかくにも全員に文章を提出していただきたい。だから、わたしからの課題は今期も内容上の自由度を高めに設定しておきます。以下のとおり。
《文学作品を3点えらび、1点につき700~800字で論評せよ。それぞれに小タイトルも付すこと。3つの短い批評文(あるいは書評)がならぶ以外には何も付け加えてはならない。》
ここでいう「文学作品」は自分なりの定義にもとづいたものでかまいません。というよりも、事前に手のうちをごっそり明かしてしまえば、「3点のセレクトによってあなたの考える文学を批評的に表現してください」、これが課題の趣旨です。ですが、注記したとおり、「批評的に表現」の部分を独立的に言明するにはおよびません。3点ならべてもらえば、それだけで意図は伝わるでしょうから。
いまのところ文学のメインストリームにカウントされてはいない断片たちをつかまえて、文学の外延の拡張を試みること、それこそが文芸批評のミッションだとわたしは考えています。言葉をかえれば、これは全体性を思考するということでもある。
ちなみに、最近『教養主義のリハビリテーション』という本を出しました(このタイトルはじつは次回講師の高橋源一郎さんの初期エッセイへのオマージュでもあったわけですが)。第4章では、「全体性」についてあれこれ語っていますので、ヒントくらいにはなるかもしれません。そこでわたしが伝えたかったことは、「いま見えている全体はニセの全体かもしれないよ」という1点につきます。
3点という日本的箱庭のような限定性のなかで、ぜひ文学の全体性の提示(全体性という思いあがりの危険にきっちり配慮しつつ)に挑戦してください……なんていうと、きっと過剰に構えてしまうでしょうから、基本的には現時点で論じてみたい作品を自己紹介がてら3点えらんでもらえば、とりあえずはオーケーです。
【イベント後記】
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大澤聡 Satoshi Osawa

佐々木敦 Atsushi Sasaki
撮影=新津保建秀
1964年生まれ。批評家。HEADZ主宰。〈ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾〉主任講師。『即興の解体/懐胎』(青土社)、『ex-music(L)』『同(R)』(アルテス・パブリッシング)、『「4分33秒」論』(Pヴァイン)、『シチュエーションズ』(文藝春秋)、『批評時空間』(新潮社)、『未知との遭遇』(筑摩書房)、『ニッポンの思想』、『ニッポンの音楽』(講談社現代新書)、『あなたは今、この文章を読んでいる。』(慶應義塾大学出版会)、『ゴダール原論』(新潮社)、『例外小説論』(朝日新聞出版)、『ニッポンの文学』(講談社現代新書)、など著書多数。近著に『未知との遭遇【完全版】』(星海社新書)、『筒井康隆入門』(星海社新書)、『新しい小説のために』(講談社)がある。