カフェに
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一般 入場券3,000円
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学生 入場券2,500円
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友の会会員限定最前列席 入場券3,500円
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チャンネル会員無料
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一般1,100円
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チャンネル会員無料
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一般1,200円
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一般(前半のみ)無料
本イベントは、ゲンロンのYouTubeチャンネルにてイベント前半を無料で配信視聴いただけます。
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後半はシラス・ニコニコ生放送のゲンロン完全中継チャンネルにてご視聴可能です。
また、登壇者の使用言語は英語となり、日本語への逐次通訳が入ります。
通訳:福田純子 氏
ゲンロンカフェでの会場観覧も可能です。会場にて当日券販売も行います。ただし、ご準備できる座席数に限りがございます。おはやめにPeatixでご予約いただくようお願いをいたします。Peatixでのお申込みは、イベント当日の開始時刻まで可能です。
【イベント概要】
「記憶」や「物語」は分断を深める元凶か、繋ぎとめる紐帯か──
今回ゲンロンカフェでは国際交流基金(JF)と共同し、タイ出身の歴史学者トンチャイ・ウィニッチャクン氏と国際政治学者の藤原帰一氏をお招きしてイベントを開催します。激しい政治対立に揺れるタイの歴史を紐解きながら、「記憶」や「物語」が政治や国家、そこで暮らす人々にあたえる影響について議論を交わしていただきます。司会はタイ文学研究者・翻訳家として活躍中の福冨渉氏がつとめます。
長い歴史と伝統をもつ国でありながら、政治の不安定な状態が続いているタイ。最近も、総選挙で第一党となった民主派政党による連立政権発足が失敗に終わり、同じく民主派と目された第二党が親軍派などと連立を組み新首相が選出されました。水面下で様々な政治的な取引が行われるなか、組閣後の政治動向が注目されます。
そんなタイの近代史に大きな影を落とす事件の一つが、1976年10月6日の「血の水曜日事件」です。民主化を要求する大学生たちを当時の軍事政権が暴力をもって抑圧し、多数の死者が生じたこの事件を、ウィニッチャクン氏は学生運動に参加した学生の一人として体験します。
その後、獄中生活なども経て、長くアメリカ合衆国で東南アジア研究を行なってきたウィニッチャクン氏。博士論文の『地図がつくったタイ』(明石書店)は、世界的なナショナリズム研究者であるベネディクト・アンダーソンの議論などにも大きな影響を与えてきました。
さらに2020年には、『沈黙のとき──忘却しえないものとしてのバンコク1976年10月6日の大虐殺』(未邦訳)を刊行し、「血の水曜日事件」がタイ国民に残した影響や過去を記憶することの意義について論じています。
ディスカッサントを務めるのは、ウィニッチャクン氏と20年来にわたって交流を続けてきた藤原帰一氏です。東南アジアの民主化から冷戦崩壊前後の紛争まで、幅広く国際政治のダイナミクスを捉えてきた藤原氏は、ウィニッチャクン氏の議論にどのように応答するのでしょうか?
タイと日本の比較、そして福冨氏によるタイ社会の解説なども交えながら展開していくおふたりの議論に、ぜひご期待ください!
【司会 福冨渉氏からのコメント】
現代タイで最高の知識人のひとりと呼んでも差し支えないのが、トンチャイ・ウィニッチャクン氏だ。強い権力をもつ人々が「国家」と「国民」の物語をどのように描き出し、それを正統なものとして流布していくのか。その物語が、小さな人々をどのように支配して、抑圧していくのか。トンチャイ氏の研究は、精緻な歴史研究のアプローチで、そのプロセスを明らかにしていくものだ。だが彼の言葉は、アカデミアの中だけにとどまるものではない。1976年の虐殺で友を失い、自身はかろうじて生き残った経験が研究の出発点にもなっているトンチャイ氏の存在は、50年近くが経った現代でも、大きな分断と強い抑圧の中で苦しむタイの人々のよりどころになっている。
今回のイベントはタイの政治についてというよりも、もっと広い、根源的で文化的な営みについてのものになるはずだ。つまり、わたしたちは過去のなにを記憶して、なにを記憶しないのか、それをどう選んでどう継承していくのかという、すべての人間が知らず知らずのうちにおこなっている行為を考え直す時間になる。東南アジアの政治と民主化の研究からスタートして、国際政治と平和秩序についての思索を続ける藤原帰一氏が登壇することで、より射程の広くて深い議論が展開されるはず。自分たちの、子どもたちの、下の世代の未来になにを残すのか考えたい方は、決してお聴き逃しのないよう。
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【国際交流基金(JF)とは】
外務省所管の独立行政法人で、諸外国との国際文化交流を専門的に実施する日本唯一の機関です。1972年設立。おもに文化芸術、日本語教育、対話(日本研究支援・国際対話)の3分野でさまざまな事業を行っています。本対談を企画する国際対話部は2021年4月に旧日米センター、アジアセンター、日中交流センターなどの基金内地域センターを統合した新設部署で、日本と諸外国の文化人や有識者、市民、青少年交流を推進しています。詳細は国際対話部のウェブサイトをご覧下さい。
国際交流基金 – 国際対話・ネットワーク形成の支援
トンチャイ・ウィニッチャクン Thongchai Winichakul
ウィスコンシン大学マディソン校名誉教授(歴史学)、日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所名誉研究員、タマサート大学プリディー・パノムヨン国際学部客員教授。同氏の著書『地図がつくったタイ:国民国家誕生の歴史』(2003年)及び「Moments of Silence: The Unforgetting of the October 6, 1976, Massacre in Bangkok(和訳:沈黙のとき)」(2020年)はいずれも、欧米諸国において数々の賞を受賞している。また、タイにおいて8冊の単著を発表している。1994年にジョン・シモン・グッゲンハイム賞を受賞。2003年、米国の学術団体・アメリカ芸術科学アカデミー会員に選出。2013年から2014年には米国のアジア学会会長を務めた。2023年、福岡アジア文化賞大賞受賞。研究領域は、「colonial conditions」における近代シャム(タイ)における知的基盤。タイ政治および社会問題の批評家でもある。
藤原帰一 Kiichi Fujiwara
千葉大学国際高等研究基幹特任教授・東京大学名誉教授・未来ビジョン研究センター客員教授。専門は国際政治・比較政治・東南アジア政治。1979年東京大学法学部卒業。フルブライト奨学生としてイェール大学大学院博士課程に留学。1984年同大学院博士課程単位取得中退。東京大学助手、千葉大学助手・助教授、東京大学社会科学研究所助教授を経て、1999年から2022年3月まで同大学院法学政治学研究科教授。フィリピン大学アジアセンター客員教授、ウッドローウィルソン国際学術センター研究員、ジョンズ・ホプキンス大学国際高等研究院客員教授、東京大学未来ビジョン研究センター長などを歴任。主な著書には『戦争を記憶する』、『デモクラシーの帝国』、『平和のリアリズム』(第26回石橋湛山賞受賞)、『国際政治』、『戦争の条件』、『不安定化する世界』、『「正しい戦争」は本当にあるのか』などがある。『朝日新聞』に「時事小言」を連載中。『映画のなかのアメリカ』、『これは映画だ!』など、映画に関する著作もある。
福冨渉 Sho Fukutomi
撮影=相馬ミナ
1986年東京都生まれ。タイ語翻訳・通訳者、タイ文学研究。青山学院大学地球社会共生学部、神田外語大学外国語学部で非常勤講師。著書に『タイ現代文学覚書』(風響社)、訳書にプラープダー・ユン『新しい目の旅立ち』(ゲンロン)、ウティット・ヘーマムーン『プラータナー』(河出書房新社)、Prapt『The Miracle of Teddy Bear』(U-NEXT)など。
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